食育の大切さと子どもたちの未来を支える食堂の役割

- レビュー評価
- ★★★★★
「食べること」は、生きる上で欠かせない行為であり、心と体を育む大切な営みです。
しかし、現代社会において、忙しい日々の中で食事が簡素化されたり、食べることの大切さが十分に意識されなくなっている現状があります。
特に、成長期の子どもたちにとって、バランスの取れた食事を摂ることは、健康な体を作るだけでなく、心の安定や学習能力の向上にも大きく影響します。それにもかかわらず、食事に十分な時間をかけられなかったり、栄養の偏った食生活を送る子どもたちが増えていることは、見過ごせない問題です。
また、家庭環境の変化により、共働き世帯やひとり親家庭が増え、食事の準備が十分にできないケースも珍しくありません。さらに、経済的な理由から満足に食事を摂れない子どもたちも存在し、栄養不足や孤食といった問題が社会的な課題として浮き彫りになっています。
こうした現状を受け、地域社会が子どもたちを支える仕組みとして、こども食堂や地域のコミュニティ食堂の役割が注目されています。
こども食堂は、単に食事を提供する場ではなく、「食育」の場としての役割も担っています。手作りの温かい食事を囲むことで、子どもたちは「食べることの楽しさ」「食材の大切さ」「みんなで食べる喜び」を実感できます。また、食堂を運営する地域の大人たちやボランティアとの交流を通じて、食を通じた社会とのつながりを感じることができるのも、大きな意義の一つです。
はじめまして。込山伸一と申します。元甲斐市の市議会議員で現在は起業をしビジネスコンサルティング企業として様々な事業に関わらせていただいております。
食育は、単に「栄養バランスの良い食事を摂る」ことを教えるだけではありません。私は甲斐市の市議会議員を体験させていただく中で「誰かが作ってくれる食事に感謝する気持ち」「食材を無駄にしない心」「命をいただくという意識」など、食に関するさまざまな学びを子どもたちに伝えることは特に大事なことだと感じました。
食堂を通じて食育を推進することは、子どもたちの健康を守るだけでなく、将来的に自立した生活を送るための土台を築くことにもつながると考えています。
山梨県の耕作放棄地を活用し「農業体験」を実現
日本各地で農業の担い手不足や高齢化が進み、耕作放棄地の増加が深刻な問題となっています。山梨県でも、かつては実り豊かな農地だった場所が放置され、活用されないままとなっているケースが増えています。
そんな中、耕作放棄地を再生し、農業の大切さを伝える場として活用する「農業体験プログラム」が始動しました。この取り組みの大きな特徴は、こども食堂とコラボレーションし、農作物の栽培から収穫、そして食べるまでの一連の流れを学ぶことにあります。
この農業体験では、単に作物を育てるのではなく、「食べる」ことの大切さを知る機会としての役割を持っています。子どもたちは、自らの手で土を耕し、種を植え、野菜やお米を育てることで、「食べ物がどのようにできるのか」を実際に体験します。
そして、その収穫した食材が、こども食堂の食事として提供されることで、農業と食のつながりを実感し、食べ物への感謝の気持ちや、作り手の想いを学ぶことができるのです。
また、この農業体験では、栽培期間中は無農薬栽培にこだわり、自然の力を活かした農法を実践しています。農薬や化学肥料に頼らずに作物を育てることは、食の安全性だけでなく、環境にも優しい取り組みであり、子どもたちにとっても貴重な学びの場となります。「なぜ無農薬なのか」「虫や雑草とどう共存するのか」など、農業に携わる人々の知恵や工夫を直接学ぶことで、食文化や食生活への関心が深まります。
さらに、こども食堂と連携することで、農業体験で収穫した作物が実際の食事として提供される喜びを味わうことができます。自分たちが育てた食材が料理として形になり、みんなで一緒に食卓を囲む経験は、子どもたちにとってかけがえのないものとなります。「自分で育てた野菜は特別に美味しい」という実感が、食への興味を引き出し、偏食の改善や食材の大切さを考えるきっかけにもつながるのです。
この活動は、食を通じた地域のつながりを生み出す場にもなっています。農業体験に関わる農家やボランティア、こども食堂のスタッフ、参加する子どもたちやその家族が交流し、食の喜びを共有することで、地域全体が支え合うコミュニティが形成されています。「食べることは生きること」という基本的な考えを、実際の体験を通じて伝えるこの取り組みは、子どもたちの心と体の成長にとって非常に重要なものです。
耕作放棄地を活用した農業体験とこども食堂のコラボレーションは、単なる農業の再生ではなく、未来を生きる子どもたちに「食の知識」と「生きる力」を育む場として、大きな役割を果たしています。この取り組みが広がり、多くの子どもたちに「食べることの大切さ」を伝えていくことが、持続可能な食文化を築く第一歩となるでしょう。
日本は添加物大国?
こども食堂で食育と農業体験を通じて
「食べる力」を育む
こども食堂は、単に食事を提供する場ではなく、子どもたちが食の大切さを学び、自ら考え行動する力を育む貴重な場でもあります。特に現代社会では、食品添加物の多用や食事の簡素化、食への関心の低下などが進み、「食べること」の本当の意味を深く学ぶ機会が減っています。その中で、こども食堂と農業体験を組み合わせることで、子どもたちに「食のルーツ」を知ってもらい、食べることの価値を実感してもらうことができます。
農業体験では、子どもたちが自ら土に触れ、野菜やお米を育てることで、食材がどのように生まれるのかを学ぶことができます。種を蒔き、日々の世話をしながら、実際に作物が育つ過程を見ることで、食べ物ができるまでの苦労や時間、自然との関わりを肌で感じることができます。また、農薬を使わずに育てる無農薬栽培の方法を学ぶことで、自然と共生する農業の大切さにも気づくきっかけとなるでしょう。
収穫した食材は、こども食堂での食事として提供されます。自分たちが育てた野菜やお米が調理され、美味しい食事として食べられることは、子どもたちにとって特別な経験です。普段は野菜が苦手な子も、自分で育てたものなら「食べてみよう」と思うかもしれません。また、「食べ物を大切にする心」が自然と育まれ、食べ残しを減らす意識にもつながります。
食育は、「ただ食べること」ではなく、「なぜ食べるのか」「どのように食べるべきか」を考えることが重要です。農業体験を通じて、食材の背景を知ることで、普段の食事にも興味を持ち、食品添加物の少ない食材を選ぶことの大切さや、健康的な食生活の基礎を学ぶことができます。また、農業に携わる人々の思いや苦労を知ることで、感謝の気持ちを持ち、食に対するリスペクトが生まれます。
こども食堂と農業体験を結びつけることで、子どもたちにとって「食べること」がより身近で、意味のあるものへと変わります。食育の大切さを伝え、食に対する正しい知識を持つことは、将来の健康や生活の質を高めるためにも欠かせない学びです。この取り組みが、子どもたちの未来にとって大きな財産となり、「食べること」をもっと大切に考えるきっかけとなることを願っています。
山梨県の10人に1人は貧困?
こどもを取り巻く環境変化とこども食堂の役割
日本では子どもの貧困問題が深刻化しており、山梨県でもその影響は大きく広がっています。厚生労働省の統計によると、日本の子どもの貧困率は約13.5%(7人に1人)とされており、私が住んでいる山梨県においても10人に1人が貧困状態にあると言われています。このような状況の中、経済的な理由から満足な食事を摂れない子どもたちが増えているのが現実です。
子どもたちを取り巻く環境は、この数十年で大きく変化しました。共働き世帯の増加や、ひとり親家庭の増加により、家庭での食事の準備が難しくなったり、孤食が増えたりする傾向が強まっています。(孤食が子どもに及ぼす3つの影響)
特に、貧困家庭では栄養バランスの取れた食事を用意するのが難しく、手軽に食べられる加工食品やインスタント食品に頼らざるを得ない状況が生まれています。その結果、健康面や発育への影響、学力の低下、精神的なストレスなど、さまざまな問題が生じることが懸念されています。
こうした家庭を支えるために、地域に根付いた「こども食堂」が大きな役割を果たしています。こども食堂は、経済的に困難な状況にある家庭の子どもたちに、無料または低価格で栄養バランスの取れた食事を提供するだけでなく、地域の大人や他の子どもたちとの交流の場をつくる役割も担っています。
家庭では十分なケアを受けられない子どもたちが、大人たちと交流し、安心して過ごせる場所として、心のよりどころにもなっています。さらに、地域のボランティアや支援者との関わりを通じて、「誰かが見守ってくれている」という安心感を持つことができるのも大きな意義のひとつです。
現在、こども食堂の取り組みは全国的に広がっており、山梨県内でも多くの地域で運営されています。しかし、その多くが寄付やボランティアの善意によって支えられているため、安定した運営には多くの課題が残されています。食材の確保、資金の調達、運営スタッフの確保など、持続可能な支援体制を整えることが今後の大きな課題となっています。
すべての子どもが、お腹を満たし、安心して生活できる社会を実現するために、こども食堂の存在は今後ますます重要になるでしょう。地域社会が一体となり、子どもたちを支える仕組みを強化していくことが、未来の社会をより良いものにする第一歩です。私たち一人ひとりがこの問題を考え、支援の輪を広げていくことが求められています。
→ こども食堂の必要性とこれからの支援について
人生こども食堂こばやしとは?

出典:人生の曲がり角で開いた「人生食堂」 一人親家庭などに息抜きを
そんな中で私が支援しているのは、人生こども食堂 こばやしさん(山梨県甲府市)です。
「人生食堂 こばやし」さんは、地元の人々に親しまれる温かみのある食堂です。ボリューム満点の定食やラーメンが人気で、地元の新鮮な食材を使った家庭的な味を楽しむことができます。カウンター席や座敷席があり、一人でも家族連れでも気軽に訪れやすいアットホームな雰囲気が魅力です。
この食堂の大きな特徴のひとつが、地域の子どもたちを支える「人生こども食堂」の運営です。経済的な理由や家庭の事情で満足に食事をとることができない子どもたちに、無料または低価格で温かい食事を提供しています。
食事を提供するだけでなく、地域のボランティアや支援者と協力し、子どもたちに安心して過ごせる居場所を提供することも目的としています。こども食堂を通じて、子どもたちは食の大切さを学び、地域の大人たちとの交流を深めることができます。
また、「人生食堂 こばやし」さんは、単なる食堂ではなく、地域のコミュニティとしての役割も果たしています。食を通じたつながりを大切にし、地域の人々が集い、支え合う場所として、多くの人々に愛されている存在です。営業日は火曜日から金曜日の昼と夜、土日は夜のみの営業で、月曜・祝日は定休日となっています。臨時休業などの情報は、InstagramやGoogleマップで随時告知されます。
温かい食事と人とのつながりを大切にする「人生食堂 こばやし」さんは、地域の人々にとってなくてはならない存在となっており、今後も食を通じて多くの人々を支えていくことでしょう。
込山伸一(本記事著者)ってだれ?
自己紹介させてください

はじめまして。本記事を書かせていただいた込山伸一です。
生まれ育ったのは町営住宅で、決して裕福な家庭ではありませんでした。しかし、幼い頃から負けず嫌いで、努力を惜しまない性格でした。中学・高校時代には生徒会長を務め、多くの人と関わる中で、社会に貢献したいという想いを強く持つようになりました。
社会に出た私は、サラリーマンとしての道を歩みましたが、与えられた仕事をこなすだけでは満足できず、「自分の力で何かを成し遂げたい」と考え、29歳で起業。30歳で自ら設計したマイホームを建てることができ、順調な人生を歩んでいるように見えました。
しかし、人生は思い通りにはいきません。32歳で市議会議員に初当選、36歳ではトップ当選を果たしましたが、38歳で県議会議員選挙に挑戦し敗北。さらに43歳の時、元請会社の自己破産に巻き込まれ、5,800万円の負債を抱えることに。築き上げた自宅も競売にかけられ、財産を失いました。そして47歳で最愛の一人息子と離別。これまでにない深い喪失感を経験しました。
それでも私は諦めません。逆境に負けず、挑戦を続けることで道は開けると信じています。今では、経営コンサルティング、福祉事業支援、障がい者就労支援、建築、不動産活用、学習塾運営、選挙プランニング、イベント企画など、多岐にわたる事業を展開しています。特に、障がい者の社会参画を支援する就労移行支援事業や、不登校・ひきこもりの子どもたちを支援する学習塾、こども食堂の運営(noteにて詳細を書いております)など、社会貢献活動にも力を入れています。
私は「NO」と言わず、どんな依頼にも前向きに取り組むことを大切にしています。そうすることで、自分の可能性が広がり、多くの素晴らしい出会いが生まれました。これからも挑戦を続け、社会に貢献していきたいと思っています。私の経験や想いが、誰かの励みになれば幸いです。
この記事を最後まで読んでいただいたのもご縁です。是非何かビジネスをお考えでしたらお声掛けください。(LinkdIn/Instagram/Facebook/X)
→ 込山伸一(グッドエンジェル)
=====
株式会社想像コミュニティ
代表取締役:込山 伸一 (公式ブログ:込山伸一の徒然日記)
〒400-0116
山梨県甲斐市玉川703-4
=====